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年々増えている不登校児童の数は、日本の国としても問題に取り上げています。
これは文部科学省の調査にもはっきりと書かれていて、様々な対策を打ち出しています。
その対策の1つとして、学校単位で行っているのが「保健室登校」という仕組み。
今回の記事では、保健室登校についての解説と、メリットやデメリットをお伝えしていきます。
不登校から復帰するためのステップとしても有効なので、ぜひご一読ください。
保健室登校とは読んで字の如く、学校へ登校しても教室へ行かず保健室に向かうことです。
保健室に着いた後の行動は、学校や本人にもよります。
などのパターンがあります。
ちなみに、保健室登校をしている生徒は小学校〜高校まで一定の割合で有ることで、特に珍しいことではないのを知っておいてください。
※保健室登校と似たような登校で、
特別に設けられた部屋へ登校する「別室登校」
放課後に保護者と一緒に登校して先生と少し話したり勉強して下校する「放課後登校」
などもあります。
保健室登校をするようになるには、2つの意味や理由があります。
1つは、もともと長期に欠席していた(不登校含む)状況から、教室へ復帰するための第1ステップとして。
いきなりみんなのいる教室に戻るのは緊張したり恥ずかしい場合、徐々に慣らしていくための保健室登校です。
もう1つは、今まで教室へ通えていたのに何らかの理由でそれができなくなった。
しかし学校へは行きたい、という状況での不登校の予防的な意味です。
ギリギリでも不登校にならず、頑張っているということですね。
ところで、保健室なので風邪っぽい症状だったり怪我をしてしまった生徒や先生が入ってくることもあります。
そういうときは少なからずコミュニケーションを取る必要もあるでしょう。
自宅に引きこもってしまうと家族以外の人と接することが減りますから、保健室で少しでもその機会があるのは良いことだと思います。
絶対に先生以外の誰とも会わないということではないのでご注意を。
ここからは、保健室登校の持つメリットを4つご説明いたします。
1つは先ほど書いたコミュニケーションの部分。
生きていく上で誰とも全く会わず何の接点もなく生活するのはかなり難しいですから、少しでもその機会があるのは良いことだと思います。
2つめは出席日数にカウントされること。
多くの小中学校では、保健室登校も出席したものとして数えてくれます。
特に中学生の場合は、出席日数は高校受験に必要な内申点に大きく影響します。
内申点が多少低くても学力が相当高ければ挽回できることもありますが、入試において最低基準を設けている学校がある場合も。
いずれにせよ、出席したものとして計算してもらえるのは素直に嬉しいことです。
※ただし、高校生の場合の保健室登校は各校により対応が違うので要確認願います。
3つめは、生活のリズムが整いやすいことです。
通常より多少遅れてでも学校へ登校するため、朝はある程度早い時間に起きる必要があり、夜更かしもしにくいと思います。
授業が終わる1限ごとにチャイムが鳴ったり、お昼休みや下校時間もわかります。
これらのことから体内時計が狂いにくく、生活リズムが崩れにくいといえるでしょう。
4つめは、保護者が学校との接点を持てることです。
生徒同様に、保護者としても学校との接点が一度絶たれると、元に戻すのは大変なのです。
登校することで学校の様子を知れたり、今後のことなどを見聞きすることができるのはメリットですね。
また、学校から帰ってきた後の家庭内での様子や悩みを、先生方に相談できることは大きいと思います。
これら4つは保健室登校のメリットと言えるでしょう。
逆に保健室登校のデメリットとしては、人目を気にしてしまうことではないでしょうか。
他の生徒や先生も保健室に入ってきますし、トイレなどで廊下を通る時、登校する通学路などでも「誰かに会うかも」とビクビクしてしまう場合も。
それ以外でも、「自分だけワガママ言って保健室にいて良いんだろうか・・・」と後ろめたく感じてしまうこともあります。
この部分はどうしても起こってしまうことですし、仕方のないことと言えます。
この記事では保健室登校について解説いたしました。
自分への自信のなさが、保健室登校や不登校になることも多いです。
しかし、たとえ保健室だとしても、登校できていることはすごいこと。
保護者様は、保健室登校もそれ以外のことも、できることを「すごいね!」と褒めるようにしてあげてください。
子どもへの声かけは、彼・彼女らが自信を持つことへ直結します。
自身を持つと復帰できる可能性が高まりますよ。
とはいえ、早く教室へ通ってほしいと焦らせないようにしてください。
そのための保健室登校ですから、ゆっくりと時間をかけて、少しずつ自信をつけさせてあげましょう。
この記事が保健室登校や不登校の疑問を解決するのに役立っていれば幸いです。
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