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実際に不登校になった子どもたちが抱えている悩みって、どういうものがあるかご存じでしょうか?
もちろん1つの悩みだけを不登校児童全員が同じように持っているということはありませんが、とりわけ共通している悩みはあります。
この記事では、不登校になった子どもが抱えている悩みについて解説いたします。
不登校は「悩み事が分かれば簡単に解決できる!」と言い切れる問題でもありませんが、何に悩んでいるか全く分からないという状態では解決の糸口も見えてこないでしょう。
この記事で少しでも不登校から回復することへのきっかけになればと思います。
不登校になる理由は様々です。
「これ」という1つの理由だけならば対処方法も簡単かもしれませんが、実際は「これ」は1つのきっかけでしかなく、いろいろな事情が複雑に絡み合っていることが多いのです。
それでも奥底にある共通した悩みはあって、それは「みんなは嫌なこともできているのに自分はできない」という「劣等感(自己嫌悪)」なんです。
こう考え悩んでいることは、不登校児童たちの共通した悩みとなっています。
「自分はダメな人間だ」と考えていると、「自分が嫌い → 自分は最低人間 → 自分は生きる価値がない」とどんどん考えの深みにはまっていき、行動する意欲を失っていきます。
最初のうちは悩んでいることや何かあったことを親にも話していたかもしれません。
しかし、
・・・というような考えが頭の中をぐるぐると周り、それがこじれて深みにはまっていきます。
ストレスが最大になり、ある日突然弾け、それが「不登校」へとつながっていきます。
このときから「どうせ親には何を言っても本当の自分の気持ちはわかってくれない」と考え、本音を言わなくなってしまうんですね。
親の方はというと、そうした子どもの抱える悩みに寄り添ってあげられていないことに気づかないケースがあります。
そして「なぜ、学校へ行けないの?学校で何かあったの?」と子どもへ聞いてしまいます。
ということが続くうちに、「何を考えているのかさっぱりわからない!」と悩むようになります。
親としては子どもが心配で、何か問題があるのであればそれを解決してあげたい、学校へ行けるようにしてあげたいと考えるのは普通のこと。
しかし、その気持ちを持って子どもへ何度も理由を尋ね続けることが、実は子どもを追い込むプレッシャーを与えていることになる場合も多いのです。
特に不登校になった当初は根掘り葉掘り聞かず、そっとしておいてあげるのがいいと思います。
よくあることなのですが、不登校の根本にある理由を知ろうと親が何度も質問したり、返事をしない子どもへ業を煮やして怒鳴りつけたりすることで、元々存在しなかった不登校の理由が新たにできてしまうことがあります。
それは「親が嫌だから不登校になる」というもの。
不登校となり家にいる様子を見ていると、案外元気そうに見える・・・
「そろそろ学校へ行ったほうがいいんじゃない?」
「勉強に遅れてしまうよ」
など親の『アドバイス』『声かけ』が鬱陶しくなり、親子の間に摩擦が生まれます。
こうして2つ目の理由ができ、不登校の重症度は増していきます。
もちろん親としては学校へ行ってほしい、勉強や友達との関わりを持って毎日楽しく過ごしてほしい、そう願っているからこその声かけです。
しかしそれが子どもには苦痛になることも理解してあげないといけませんね。
この記事では、不登校の子どもが共通で抱える1つの悩みについてお伝えしてきました。
不登校になる子どもたちは「みんなは嫌なこともできているのに自分はできない」という自分への劣等感(自己嫌悪)を抱えていています。
これが「親の期待に応えられない自分が嫌い」という感情になり、やがて「誰も自分のことをわかってくれない」という考えに至ります。
また、学校へ行かないことを親が何度も聞いてしまうことで、だんだんと摩擦が生じ、さらに学校へ行く気力をなくしていきます。
しかしこれらのことは、親が嫌いだからというわけではないんです。
反対に親への罪悪感を持っていて、本当は「期待に応えられなくてごめんなさい」と感じているのです。
学校に行かなければならないことや、親の心配する気持ちも十分わかっています。
だからこそ、子どもたちはそれができない自分を否定し、親へ罪悪感を感じています。
親も「親であることの責任感」があり辛いですが、子も「自分の無力感」を感じて辛いのです。
だからこそ不登校を解決すること、不登校からの回復は時間がかかり、難しい。
焦らず、慌てず、安心できる場所づくりを進めていくようにしましょう。
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