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「子どもが不登校になった」というご経験をされたことのある保護者様の多くは、かなり悩んでいることでしょう。
また、今の所そうではないという保護者様でも、今後のことを思うと不安のある方も多いのではないでしょうか。
子どもたちは一体何が原因で不登校になってしまうのでしょう?
この記事では、文部科学省が令和2年度に行った調査結果をもとに、不登校になる原因を解説いたします。
原因となる事項トップ3とそれ以外についても列挙いたしましたので、ぜひお読みいただければと思います。
※ちなみに不登校の定義とは、「何らかの理由で登校しない(したくてもできない)状況で年間30日以上欠席した者(病気、経済的理由を除く)」となっています。
(欠席が29日ではカウントしないという意味です。)
この記事は文部科学省による調査結果をもとに書いています。
詳細なデータや内容をお知りになりたい方は、こちらのサイトを確認していただければと思います。
参考資料:文部科学省「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
(クリックで移動します)
この資料によると、不登校になる原因として小中学校まで共通して多い理由は以下の3つです。
①無気力、不安
②生活リズムの乱れ、あそび、非行(全体的に多い)
③いじめ以外の友人関係(中学生に特に多い)
③親子の関わり方(小学生に特に多い)
①の「無気力、不安」は全体の中でも突出して多いです。
昨今の状況から、毎日に漠然とした不安を抱えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
②も全体的に多く、特に小学生に多いようです。
③はそれぞれ学年ごとにばらつきはあるものの。平均的に多い理由となっているようです。
またこれら以外にある原因としては、以下のようなものがあります。
まずはこれらのような原因があることを知っておきましょう。
また、調査の結果からはわかりにくいですが、不登校になる原因は1つとは限らないと思います。
例えば「学業の不振と教師との関係、進路に係る不安」などは同時に起こりそうな項目ですし、「家庭に係る状況」が他の全ての原因になっているかもしれません。
①の「無気力、不安」なども、夜更かし等が原因の睡眠不足による体力低下が関係しているかもしれません。
「何か1つが原因だから、それを解消したら万事解決」というわけにはならないんですね。
また、調査期間は令和2年度なので、新型コロナウイルスによる休校や自主休学などが関係してきます。
登校日数自体が少なくなっている分、問題自体が起こりにくかったり発覚しづらかったり、反対に無気力感が助長されたりというのも要因として絡んでくるでしょう。
(これも前述の調査結果に書かれています)
次に、学年別の不登校の傾向を見ていきましょう。
小学生では家庭の影響を受けやすいようです。
低学年のうちは親と離れることが不安につながりやすいのですね。
幼稚園(保育園)の延長から、精神的に未熟で甘えたがりであるのはある程度仕方のないことと言えます。
高学年になってくると、学業不振や友達とのトラブルなどの傾向も見えてきます。
様々な遊びを覚えることで生活リズムの乱れが出てしまい、それが原因となっていることも多いようです。
中学生は小学校高学年の延長とも言える「友人とのトラブル」がありますが、思春期を迎え、精神的に不安定になる時期も関係してきます。
教師と合わない、ルールを守りたくないと言った反発心や、部活動などでは教師以外での人間関係のわずらわしさも影響してくるでしょう。
学校でのストレスが影響して、家庭でも落ち着きがなくなることもあるでしょう。
このように、それぞれの学年に傾向があるのを知っておくだけで、気持ちが楽になるかもしれませんね。
この記事では文部科学省の調査データをもとに、不登校になる原因を解説してきました。
不登校の原因となるものが1つだけではなく、また子どもたち個人の感覚による部分も大きいことから、不登校を完全に無くすことは難しいように思います。
ご家庭でできることは子どもとの関係を良好にすることや、心配事などがないか、どういう部分に悩んでいるのか等を気にかけてあげることだと思います。
不登校児童を無くす(減らす)ことは国としても取り組んでいます。
スクールカウンセラーや24時間子供SOSダイヤルを設置するなど、様々な取り組みを行なっています。
もしお悩みであれば、冒頭の資料の最後の項目をご確認ください。
この記事が、不登校でお悩みのご家庭のお役に立てていれば幸いです。
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