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みなさんは、「読解力(どっかいりょく)」と聞くとどういう意味をイメージされますか?
「読む」「解く」「力」ということで、文章を読む能力のことだと思いがちです。
しかし実は、文部科学省の見解ではもっと深い意味があるんです。
(後ほど解説します)
そして日本の子どもの読解力は低下していて、他国と比べてだんだん下がってきているのが現状なんです。
この記事では読解力の意味、他国との状況、そして読解力を高めるための対策についてお伝えします。
「我が子の読解力を高めたい」とお考えの方も多いと思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
まずは読解力について確認します。
読解力とは、文部科学省によると次のように書かれています。
自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれたテキストを理解し,利用し,熟考する能力。
義務教育修了段階にある生徒が,文章のような「連続型テキスト」及び図表のような「非連続型テキスト」を幅広く読み,これらを広く学校内外の様々な状況に関連付けて,組み立て,展開し,意味を理解することをどの程度行えるかをみる。文部科学省「1 PISA調査における読解力の定義,特徴等」より引用
最初の文章に書かれていますが、要するに
「書かれている内容を理解し、利用し、塾考できる能力」
という意味になります。
ただ単に「文章を読む能力」という意味ではないんですね。
文章をただ読むだけではなく、その内容を利用して活用したり、その内容について意見を交わしたりすることができる能力が求められているわけです。
また、「文字」だけではなく、図形やグラフ、表など文字以外の内容を見る際にも読解力は求められます。
「より多面的な能力が求められている」ということになりますね。
この読解力、日本はだんだんと下がってきているようです。
2015年の調査では、日本は調査対象35カ国中6位の位置にいました。
それが2018年には37カ国中11位にランクダウン。
このように目に見えて下がってきているのが現状のようです。
※参考資料「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA) ~ 2018 年調査国際結果の要約~」
※参考資料「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA) ~ 2015 年調査国際結果の要約~」
低下の要因の1つとして考えられるのが、なんとSNS。
SNSでは自分の言いたいことを自分の言葉で一方的に発信することが多く、議論的な要素がありません。
また、LINEなどにある便利な機能「スタンプ」では、もはや文字を使わずとも意思の確認ややりとりができる状況。
これらの影響で文字を使う・内容を読み取ることが少なくなり、読解力が低下しているということです。
それ以外にも、読書量の低下や、スマホで検索して得た情報で「わかった気になって深く調べない」でいるのが原因になっています。
さらに若い人を中心に「略語」が流行っていて、正しい言葉を使わなくなっていることも理由だそうです。
これについては、テレビなどのメディアでも普通に使われているのも問題かもしれませんね。
これらの現状を確認した上で、子どもの読解力を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?
その答えは、やはり読書がおすすめです。
読書を習慣づけすることで語彙力を増やし、思考能力を養います。
例えば小説や文庫本などでは、書かれている文字から状況を読み取る能力が養われますし、登場人物の感情を理解することにも役立ちます。
また、もし「本」であることが苦手であれば、子どもの好きなおもちゃのマニュアルや、車や機械などのカタログ、昆虫などの図鑑、旅行のパンフレットなどでもいいと思います。
とにかく、略語や崩し言葉が少ない正しい活字に触れるようにし、読むことを習慣づけましょう。
さらに、読書なら音読するのがおすすめ。
実際、本を読むと言っても飛ばし読みしていることが多いもの。
特に読書に慣れていない子どもでは、理解できるところだけ読もうという気になりがちです。
そこを音読することで本の内容を順番に追うことができるようになり、読解力アップに役立ちます。
少し難しい内容であれば、保護者様も一緒に読んであげる「読み聞かせ」がいいと思います。
長編を全て読むのは難しくても、わかりにくいところや肝の部分だけ一緒に読むと良いでしょう。
読み終わったらその内容について、子どもと一緒に話し合う機会を設けるとさらに良いですね。
この記事では、読解力についての意味、読解力が低下している事実、さらに読解力の高め方についてお伝えいたしました。
読解力は単に文字を読むだけでなく、内容を理解し、利用し、考えられる能力のこと。
現代ではSNSの活用や読書量の低下、スタンプや略語の使用によって読解力が低下していっている現状です。
その状況を改善するにはやはり読書がおすすめ。
できれば音読をして、一緒に読み、内容について話し合えればいいですね。
子どもの読解力を高めるように取り組み、今後の人生に良い影響を与えられるようにしましょう。
参考記事:「本を読むことのメリットって?読書が人生のプラスになる理由をお伝えします!」
参考記事:「どうすべき?子どもが読書を嫌いな理由とその対策」